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Chef’s Table とともにはまったのが「深夜食堂」である。これもまた長期間にわたる大人気シリーズで,映画にもなっているのだが,私が知ったのはコロナでNetflixと出会ってからである。

二枚目の小林薫さんが,地味で不器用な独り者のマスターを演じているのが似合っていて,調理場に腰かけてタバコを吸っている姿や,「お待ち」と料理を出す姿,アパートで一人分の洗濯物を干している姿,どれも大好きだ。

そして,何といっても魅力は,誰もが思い入れのある懐かしいメニューはもとより,この路地裏の雰囲気,昭和な場末の食堂,界隈で働く人たち,そして,集まるお客さんたちの個性だ。私には,「できるものなら何でも作る」という姿勢が,まさに町弁の仕事そのものだなあとも思ってしまう。もちろん,世の中の人は,お客さんたちのような善人ばかりではない。結末もいつもハッピーエンドとは限らず,それなりに落ち着く場合ばかりでもない。

それでも,人間というのは,本当に一人一人個性的で,癖があって,時に難しくて,でもキュートな存在なのだと思う。深夜食堂にみんなが惹かれるのは,その人そのままを肯定する人間への愛情があるからだと思う。

映画も全部見てしまったので,もっとシリーズ作って下さい!

[ 2021.01.10 ]

Netflix~Chef’s Table

今年の年末年始は,Netflixをたくさん見た。世界中が夢中だというEmily in Parisは評判通り面白く,留学のために住んだパリの街を見るのが何よりも楽しかった。昨年から少しフランス語会話のレッスンも再開しているので,もっとフランス語をと思い,Chef’s Tableのフランス編を見ることにした。

Chefの話す言葉は個性的で,思いが言葉とともに突き刺さり,主張がはっきりしているので聞きやすい。そして,その仕事ぶり,半生から,職人,アーティストとしてのこだわりの世界にどっぷり浸らせていただいた。

改めて認識したのは,幼少期の体験が幸せのイメージの基本になるということだ。家族,友達,先生,周りの人間から受けた愛情と自然環境の中での体験が,幸福,希望,生きる力を養う上で極めて重要だということだ。人間が自然から得られるものは図りしれない。

Chefの仕事でうらやましかったのは,生産者との共同作業で実現する仕事の成果である。弁護士の仕事にはない部分だなあ・・・と思った瞬間に,「いやいや違う!」とふと思いついた。それは間違っている,依頼者こそ生産者ではないか!

昨年うまく舵を切れた訴訟のことを思い出した。依頼者は事件の当事者なので,誰よりも事件に関する事実を知っている。そして,誰よりも結果に対して強い思いと執着を持っておられる。それは当然のことだ。ただ,その事件の依頼者は,とりわけ誰よりも事件に熱心であるのみならず,ある意味自分のことながら客観的に事件を観察し続けておられた。「そもそも何でこうなったんだろう?」「何が悪かったんだろう?」「あの人に酬いたいと思って始めた訴訟だが,実はあの人にも言い分があるのではないか?」という風に。そして,ふとつぶやかれる感想や,「こんなことってできるんだろうか?」「こんな証拠はどうやって探せばいいんだろう?」という会話が大きなヒントになり,思いがけない結果を導くことができた。まさに,改めて依頼者自身のもつ可能性を発見できた瞬間であった。

美味しい料理は,素材から始まっている。Chef’s Tableの中で,素材に使う牡蛎をもう少し大ぶりにしたいと思ったChefが,生産者と相談し,成長した後にもう一度海に戻して再養殖してみたらどうか?などと会話していた。また,落ちてしまったんだ・・・と残念そうに生産者が言った果実の実を,美味しい焼き菓子にして生かす場面もあった。こんなセッションのような会話を通じて,最適な食材を生みだしたり,その最適な生かし方を模索していた。

法的紛争の良い結果も,まさに同じプロセスで生まれるものだと思う。依頼者のもつ個性を基に,弁護士とのセッション(打ち合わせ)によって,素材(事実,証拠)を再発見し,再構築し,育てててゆき,最良の結果につなげてゆく。今年はそんなプロセスを意識して仕事に取り組んでゆきたいと思った年始であった。

「シリーズ6」まであるChef’s Tableの攻略はまだまだ続く!そして私の仕事も続くのである。

コロナのおかげで,少し考える時間が出来た。これまでずっと走って来たけれど,色んなことを考えるようになった。

一番思うことは,「原点に帰ろう」,「シンプルに生きよう」,ということだ。

成熟した資本主義社会の急速なグローバル化,IT化の中で,私達が行った成果は,素早く大きく膨らみ,瞬時に世界を駆け巡ることが可能となった。そして,走り続けることを求められてきた。あるいは自分達が追いかけて来たのかもしれない。

こんな空想をしてみた。

ある町に,お菓子作りの好きな人がいて,美味しいお菓子を何度も作っては工夫し,改良していた。食べた家族や友人は,美味しくて他の人にも教えた。そして,もっとたくさんの人に食べてもらうために,小さなお店を開くことになった。

お店は評判になり,お客さんがインスタに載せたコメントとともに,世界の人に知られることとなった。そのうち2号店を出さないかという人が現れた。遠くてお店に来れない人にも美味しさを届けたい。そして2号店を出すことになった。

2号店は成功し,気づくとデパ地下にも時々出店するようになり,知る人が知ってるお店として,お中元カタログの特別版に載るようになった。

やがてデパ地下の売り場は固定となり,大量生産のために工場が必要になった。パート社員も少しづつ増えていった。

売上は伸びてゆく。でもいい時ばかりではない。デコボコがある。そして他社との競争が始まる。

毎月の経費が膨らみ,手堅く事業を続けるために,コストを下げれないか分析が必要になる。「この卵でなくても,もっと安いこだわりの卵はある」。贈答品にするには,もっと日持ちしないといけないから保存料が必要になる。時間が経っても見た目が変わらないように,材料を少し変えなければ。

店は有名になってゆく。メディアに取り上げられる。商品がブランド力を持ち始める。

競争は激しくなる。「勝ち続けなければならない」,というよりは「負けてはならない」,この事業をゲームオーバーにすることは,絶対にできない。

色んな人との付き合いが始まる。取引業者がたくさん近づいてくる。コンサルティング業者もやってくる。もっとコストを下げられる。こんなことができる。情報は,名刺やメールとともに毎日大量に舞い込んでくる。こんな機械を入れたらどうか?リース契約?それともここらで融資を受けて,大きく設備投資をするべきか?

毎日お菓子を焼いていた私は,とても忙しくなった。今はお菓子を作る時間はほとんどない。代わりに色んな人と打ち合わせをしている。業者,銀行員,バイヤー,税理士,弁護士。

気になるのは,会社の決算,同業他社の動き,世間のトレンド。頭を悩ませるのは従業員の労務問題。

思えば一人でお菓子を焼いていた時,夢見ていたのは,子供の時の絵本の挿絵にあったヨーロッパの街角のケーキ屋さんだった。頭を悩ませていたのは,もっと軽くサクサクの生地を作りにはどうしたらいいか?ということだった。工夫するのは楽しかった。でも今は本当に頭が痛い。

私はお菓子は焼いていない。でも,気づけば私達の人生は,どこかこんな風になっていないだろうか?

単に自分の欲のたせいだけでなく,競争心からだけでもなく,いつの間にか余分なものをたくさん抱えてしまい,追われていないだろうか?

自分はもともと何が好きだったのか?何をしたいと思っていたのか?それさえ思い出せなくなっていないか?

ポストコロナを生きてゆくために,私達は原点に戻らないといけない。そして,シンプルに生きてゆきたい。

日々病気と死のニュースにであふれるネットを見ながら,そう思う。

Living with Coronaの街角で,ある日見た光景。

緊急事態宣言が明け,小さな近所のケーキ屋さんがまたお店を開けた。

ガラス超しに見える厨房で,パティシエの初老のご主人が,生クリームを泡立てているのが見えた。

その姿だけで,数えきれない時間,このシンプルな作業を続けてこられたことが分かる。

生クリームの色,香り,徐々に固まってゆくそのテクスチャー・弾力を,本当に楽しみながら作業しておられるように見えた。またこの作業ができるということをとい,心から楽しんでおられるように見えた。

人が仕事を選ぶ理由は,とてもシンプルで,言葉では説明できない,五感に訴える幸福感ではないだろうか?

何に幸福感を感じるかは,一人ひとり違う。でも,またこの作業に戻れる,この瞬間を味わえるということが,日常のありがたさであり,このささやかな日常が,全ての人にとって続いてほしいと思った。

[ 2020.07.24 ]

ウイルス雑感

先般,山中伸弥先生とタモリの新型コロナウイルスに関する番組を見ました。

新型コロナウイルスについては,今年の初めから毎日考えることが多く,その中で考え方も少しづつ変わってきましたが,番組を見て更に思うところが多かったです。

今年の1月,春節を前に新型コロナウイルスのニュースが駆け巡った時,グローバル社会の中で感染症の蔓延が起こったら,人類史上経験したことのない危機が起こるのではないかと思いました。グローバル化が完全に裏目に出てしまうとの危機感です。その後の状況はご存じの通りです。遠く離れた海外のニュースが,自分の足元で起こっているような危機感を感じるのはおそらく初めてのことだったのではないでしょうか。

やがて日本でも緊急事態宣言が発令され,町から人が消え,ほとんどの店舗は自粛で閉店し,動いているのは物資のみという状況が発生しました。それでも物資は飛行機に乗って,トラックに乗って,船に乗って,世界中,日本国内をめぐっていました。仕事も同じです。テレワーク環境がある程度成熟していたおかげで,人が会社に来なくても,情報は通信を通じてかけめぐり,直接会うことなく人と人とのコミュニケーションを行うことができ,仕事の成果を達成することができました。静かに,誰もいないのに,経済活動は恐れていたほどの滞りをみせず,大企業は夏の賞与も激減せずに支給することができたようです。

他方で中小企業,飲食などの自営業は,緊急事態宣言後,静かに店舗や事業所が一つ一つ無くなってゆきました。大阪駅前でも大型商業施設の掲示板からレストランが少しづつ消えてゆき,その後ゆっくりと入れ替わっているようです。

この間,親しい方々と,コロナに関する意見交換をさせていただきました。医療従事者の方の専門的な知見はもとより,友人,依頼に来て下さる一般の方など,色んな方々の感想や考えをお聞きしました。いただいたキーワードは,「ステロイド,ヘパリン,アクテムラ」「地球の免疫反応」「パラダイムシフト」「経済至上主義の終焉」「忘れていたエッセンシャルワーカーへのリスペクトを思い出す時」等,いずれも今後の私の人生の指標としてとどめなければいけない貴重ものです。

そんな中,山中先生のお話で興味深かったのは,ウイルスと人間は,長い歴史の中,相互に影響を受けあい,時に利用し合い,互いを取り入れて今日に至っているという話でした。自分達にとって不快あるいは不都合なもの,こと,人,それが実は自分にとってマイナスのみでない影響を与え,重要な視点の変換,発展のきっかけになることがあるのではないか?そんなことを思いました。何のためにウイルスは存在するのか?ウイルスの目的は何か?人間が存在するからウイルスがいるのか?それとも全くそんなことは関係なく存在しているのか?いろいろな考えが浮かんできました。

答えは出ません。確かな事は,人類はこのウイルスが与える課題を克服しなければならないということだけです。その課題とは,まずは自分自身や家族,友人,地球上に存在する人々の生命と健康を守ることです。しかしその上で,それ以上の課題をこの新型ウイルスに見出してゆきたい,そのことを日々考えています。

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