学生とコンプライアンス
ゴールデン・ウィーク明け初めての仕事は、大学生に対するコンプライアンスの研修でした。学生生活に身近な犯罪の危険性を警告するとともに、なぜ法律を守らないといけないかという基本的な問題点に立ち返り、コンプライアンスの重要性を説明しました。昨年、当時の京都大学松本紘総長の書かれた「京都から大学を変える」という本を大変興味深く読みましたが、中でも印象に残っているのが、昨今では京都大学でも学生による刑事事件が問題となり、新入生ガイダンスの時にコンプライアンスについて学ぶ機会を設けているという話でした。パソコン、SNSの普及、危険ドラッグのような実質的に違法な薬物が手に入りやすくなったことなど、生活スタイルの変化により、学生が思いがけず重大な犯罪を犯してしまう危険性は非常に高まっています。このような現状も踏まえて、こんなことが犯罪になるの?こんな重い刑罰が定められているの?犯罪を犯したらどうなるの?という素朴な疑問に答え、犯罪を犯した場合のリスクについて、民事、刑事、学校、勤務先での懲戒手続も含め、概括的に話をしました。学生達は、みんな熱心に話を聞いてくれ、とりわけ弁護士1年生の時に沢山接した薬物事犯での経験や、ネット上に残る犯罪報道の履歴については、時にメモを取りながら、とても興味をもって聞いてくれました。このようなコンプライアンス教育は、実は大学生のみならず、小・中学生の頃から必要なものだと私は考えています。最近は、交通安全のみならず、薬物事犯についても、警察の方や専門家が学校で話をする機会が増えていると聞きます。私も、弁護士としての角度から、今後もコンプライアンスの研修を続けていきたいと思います。