ブログ|成田法律事務所|大阪 女性弁護士 成田由岐子 相続 離婚 遺言 成年後見|大阪市北区の弁護士事務所

06-6360-0630 平日 10:00-18:00
ブログ

ブログ

[ 2023.01.05 ]

兵器はテクノロジーで進化するが,話し合いは進化しているのか?

弁護士の仕事は多角化しつつあるが,紛争防止と紛争解決が中心を占めている。

紛争防止の中には,防止のための組織内の仕組み造りまでを含み,紛争解決は,訴訟に至るまでの交渉が中心を占める。

紛争解決に向けた着手は早いほど選択肢は多く,損害も小さく抑えることができる。

これは病気に対する治療にも通ずると思う。

今,国際紛争の波が私達の日常にも押し寄せ,防衛力の増強が議論されている。

テクノロジーの進化とともに武器・兵器は進化し,ドローンが軍事目的やテロ目的で利用された場合,容易に私達の日常は破壊されてしまう。

他方で,当然のことながら,停戦・平和に向けた話し合いや外交交渉の必要性が強調される。

では,どのような交渉をすればいいのか?交渉手段は兵器のように進化しているのか?という疑問が常に頭をもたげるのである。

兵器が進化するのは,そこに金銭が伴うからである。話し合いは高額な取引の対象とならない。よって,進化させるのは容易ではない。

話し合いをもっと進化させるにはどうすればよいのだろう?

ここは紛争解決の基本に立ち返って考えてみる。

話し合いによる解決には地道が作業が伴う。

まずはなぜ紛争が発生したのかの原因を発見しなければならない。

うわべではなく,当事者をここまで怒らせた本当の原因は何か,問題を複雑化させてしまった要因は何かを探らなければならない。

そのためには,まずは関係資料を読む。

最近はメールやラインのやり取りを読む。できれば表現からにじむ行間の思いまで読みたいと思う。

次にその人と実際に会ってみる。

その話しぶり,考え方から,何か紛争の原因や解決のヒントが見いだせることがある。

関係者の証言から,その人の性格や生い立ち,家族環境,生活環境がヒントになることもある。

そして,まずは紛争当事者の目から見た考え方を知る必要があると思う。

これが会社間の紛争であったとしても,背景には人の問題が潜んでいることが多い。

結局は組織といっても人の集合体なのだ。

これを国際紛争に置き換えた時に,どのように応用できるのか?

話し合いを進化させるには,多方面のプロフェッショナルで構成された専門家会議が必要になるだろう。まさに感染症対策と同じだ。

国際政治,外交の専門家はもちろんのこと,その国の文化や国民・民族としての考え方を知る人の知恵が必要になるだろう。

政治家だけではなく,民間のグローバル企業の舵取りのプロフェッショナルである経営者の知恵も必要だと思う。

国際商事仲裁や国内の紛争解決に携わって来た法曹関係者も役に立てると思う。

そんな専門家によるアドバイザリー・ボードを知恵袋として,話し合いを進化させていくのはどうなんだろう?

そんなことを考えない日はないのである。

成田法律事務所

〒530-0047
大阪市北区西天満4丁目6番3号
ヴェール中之島北1101号室

お問合せ先

TEL 06-6360-0630
(平日10:00〜18:00)