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弁護士の仕事は多角化しつつあるが,紛争防止と紛争解決が中心を占めている。

紛争防止の中には,防止のための組織内の仕組み造りまでを含み,紛争解決は,訴訟に至るまでの交渉が中心を占める。

紛争解決に向けた着手は早いほど選択肢は多く,損害も小さく抑えることができる。

これは病気に対する治療にも通ずると思う。

今,国際紛争の波が私達の日常にも押し寄せ,防衛力の増強が議論されている。

テクノロジーの進化とともに武器・兵器は進化し,ドローンが軍事目的やテロ目的で利用された場合,容易に私達の日常は破壊されてしまう。

他方で,当然のことながら,停戦・平和に向けた話し合いや外交交渉の必要性が強調される。

では,どのような交渉をすればいいのか?交渉手段は兵器のように進化しているのか?という疑問が常に頭をもたげるのである。

兵器が進化するのは,そこに金銭が伴うからである。話し合いは高額な取引の対象とならない。よって,進化させるのは容易ではない。

話し合いをもっと進化させるにはどうすればよいのだろう?

ここは紛争解決の基本に立ち返って考えてみる。

話し合いによる解決には地道が作業が伴う。

まずはなぜ紛争が発生したのかの原因を発見しなければならない。

うわべではなく,当事者をここまで怒らせた本当の原因は何か,問題を複雑化させてしまった要因は何かを探らなければならない。

そのためには,まずは関係資料を読む。

最近はメールやラインのやり取りを読む。できれば表現からにじむ行間の思いまで読みたいと思う。

次にその人と実際に会ってみる。

その話しぶり,考え方から,何か紛争の原因や解決のヒントが見いだせることがある。

関係者の証言から,その人の性格や生い立ち,家族環境,生活環境がヒントになることもある。

そして,まずは紛争当事者の目から見た考え方を知る必要があると思う。

これが会社間の紛争であったとしても,背景には人の問題が潜んでいることが多い。

結局は組織といっても人の集合体なのだ。

これを国際紛争に置き換えた時に,どのように応用できるのか?

話し合いを進化させるには,多方面のプロフェッショナルで構成された専門家会議が必要になるだろう。まさに感染症対策と同じだ。

国際政治,外交の専門家はもちろんのこと,その国の文化や国民・民族としての考え方を知る人の知恵が必要になるだろう。

政治家だけではなく,民間のグローバル企業の舵取りのプロフェッショナルである経営者の知恵も必要だと思う。

国際商事仲裁や国内の紛争解決に携わって来た法曹関係者も役に立てると思う。

そんな専門家によるアドバイザリー・ボードを知恵袋として,話し合いを進化させていくのはどうなんだろう?

そんなことを考えない日はないのである。

[ 2023.01.03 ]

口福のお正月

毎年,お正月の準備は時間との闘いになる。3日間ゆっくり過ごすために,買い物をぬかりなく済ませなければならない。

近所のライフは3が日はお休みで,駅前の阪急オアシスも3日からしか開けてくれない。

それ以上遠くに出かける気にはならないので,買い忘れがないよう真剣勝負になる。

昨年は,1日早めに仕事収めをした関係で,少し心にゆとりがあったため,梅田のデパ地下をはしごすることにした。

凄まじい人出にうろたえながらも,ほしかったものが色々と買えたが,なぜか一つづつ消してゆくはずの携帯の年末買い物メモは全く減らない。どうやら食品売り場を満喫しすぎて,必要なものが買えていなかったようである。

そんな段取りの悪さを発揮しながらも,何とか新年の買物をを終えることができた。

1日から卵の賞味期限が切れていたことを発見するというアクシデントもあったが,おかげで駅前のダイエーさんが1日から営業していることを知った。なんてありがたいのだろう!ダイエーさんだけさんづけしてしまう。

 

そんなこんなで3が日が終わろうとしているが,今年もおかげさまでおいしい食品にいろいろ出会うことができた。

とりわけ感動したのは,大阪中央卸売市場井内水産さんの明石鯛を使った「魚まち」さんの祝い鯛!

これは焼き鯛ながら,お刺身を感じさせるフレッシュさがあり,全くパサつきのない白身のみずみずしさが鮮烈な印象を残してくれた。

広島産生食用のカキは,贅沢ながらカキオコ(カキ入りお好み焼き)にたっぷり使わせていただいた。

3時のおやつにいただいたのは,「PARIS-h」さんのパン。

あまりの人気店のため,最近はここぞというときにしか買えないため今回も予約したが,噛みしめれば噛みしめるほど味わいが深く,良質な素材を惜しみなく使っておられることがよくわかる。

シェフはパティシエのご出身だとお聞きしており,焼き菓子も美味しいし,菓子パンも果物やナッツ等,素材へのリスペクトと独創性を毎回感じるが,一押しはあえてレーズンの食パンである。シェフの実力がじわじわと伝わる唯一無二の食パンである。

夕食の後のデザートは,やはり予約して手に入れたPatisserie 「Philo &Co.」のタルトタタン。

何と年末年始も営業しておられて,新鮮な美しいスイーツをお正月からいただくことができる。

タルトタタンは深い甘さの中にリンゴの酸味も感じられ,焼き色の美しさにも感動した。

いつも頑張っておられるシェフと若いスタッフの皆さんに頭が下がる。

こんな買物ができるのもお正月ならでは。それぞれのお店の気合いの入った作品を新年から味わうことで,作り手の心とエネルギーをいただくことができた。まさに,作品は人であると思う。

 

以上,美味しすぎて,一枚も写真を撮るのを忘れて食べてしまったお正月であった。

今年もたくさんの方々にお会いし,その心意気を感じられる一年にしたいと思う。

困難な時代だが,共にエネルギーを交換し合いながら,少しでもよい日常,よい世界になるよう微力を注ぎたいと思う。

本年,皆様により多くの,いろいろな形の幸福が訪れることを,心より祈念します。

本年も,どうぞよろしくお願いいたします。

商店街が大好きである。そこで働くお店の人達が大好きである。いい商品が安く買えると,とりわけうれしい。

お茶碗を買って,「デパートではこんな値段で買えへんで!」と店主の自慢を聞くのが大好きである。ついでに仕入れ先とか,お店を継ぐことになった経緯とか,色々話をしてくれるのが本当に楽しい。

「向かいのお店の唐揚げが美味しい」とか,「ご主人は朝の4時半から鳥をさばいてはるから間違いない」とか,そんな話を聞いた後に買って食べると,もっと美味しく思えるからありがたい。

工夫して,楽せずに良い商品や食材を安く仕入れて,全然欲張らない値段で提供してくれている。sustainableギリギリの利潤かなと思うが,毎日そこに来てくれる人がいるから続くことができる。

高齢の店主さん達は,お店に来るお客さんに商品を提供するのを張り合いに,毎日健康維持をして頑張っておられる。

「まだまだ頑張るからまた来てな!」と言ってくれると頼もしい。本当に,できるだけ長く続けてほしいと思う。

商店街に続く路地,すでにワクワクする。

この値札,フェイクではない!「ここのトマト食べたら他では買われへんわなあ」と近隣のシニアマダム達がワイワイ話している。

風神雷神に見下ろされながら美味しい珈琲を飲む。

「何で仏像がたくさんあるんですか?」と尋ねると,マスターは「茶を喫する」という行為の人生における重要な意味について語ってくれた。

ついでにスターバックスの悪口も言っておられた。とても興味深い。

近くのショッピングモールに先月スタバがオープンしたことを知っておられるのも,情報通である。

ここは「地獄谷」という秘密の飲み屋街(?)に続く細い細~い路地。みつけるのは難しい。

出町マンが迎える京都の桝形商店街では,いちごを2パック500円にしてくれた(ラッキー!)。

    

京都国際写真展の会場,誉田屋源兵衛さんのお店の,まさに息をのむ青紅葉。

帰り道の商店街は,残念ながら日曜日はお休みのようだった。

 

商店街を歩いていると,利潤追求ということの意味について色々考えてしまう。

思えば戦後の日本企業の躍進は,世の中が必要とする良い商品を作ろうという職人気質と,身を挺して真面目に働く多くの社員がいたからである。

ただ真面目に工夫して働き続けてきた結果,ふたを開けてみたら経済的成功を得ていたのであり,最初から利潤を最大化すべく作戦を練って狙った成果ではないと思う。

ただ,グローバル社会の競争の海に投げ込まれた我々は,それだけでは生きていけなくなってしまった。

次々と目新しい新商品を生み出さなければならず,本当にいいと思うものをシンプルに売りづつけることは,もはや食品でさえ難しくなっている。

利潤追求のためには,人が必要とするものを「思いつく」だけではなく,むしろ作り出さなければならず,ひいては消費者を商品を必要とする人に変えてゆかなければならない。

そして不思議なことに,実際に「もの」を作る人の利潤はどんどん薄くなる一方で,「もの」を思いついたり,「売り方」を思いつく人たちが巨額の富を得るようになった。

格差の出現である。

同時に日本社会の価値観も変わって来た。

思えば私達は,幼少期から「足るを知り」,贅沢を慎む教育を受けてきたし,儲かった自慢が尊敬の的になるようなことはなかったと思う。

しかしながら,グローバル資本主義社会の価値観は全く異なっている。

あくなき利潤の最大化,しかもできるだけ楽に多くの利潤を得る方法の考案,店舗数の拡大,使いきれないほどの巨額の役員報酬,宇宙までの支配しようとする果てしない野望とチャレンジ精神。

そのような価値観を軸に置く世界の企業と競争を強いられる中で,日本企業も必死に変わって来た。

でも,取り残された人達もたくさんいる。それは,価値観の変遷についていけない,あるいはついていきたくないという至極自然な現象だと思う。

日本人の幸福感が下がっているといわれ,私は日々の仕事の中で顕著な傾向だと感じている。

職場のメンタルヘルスの問題も,結局は異なる価値観を強いられて働かされる中で起こる,ある意味自然な反応と言える部分が大きいと思う。

この先のグローバル社会の中で,私達の心身に染み付く価値観をどのように守ってゆくのか,あるいはどのようにして変化を受け入れていくのか,それが幸福感の低下を阻止するヒントだと思う。

高齢化し廃れていくといわれる商店街を,どのようにsustainableなものにし,地域のコミュニケーションと生きがいをどのように守ってゆくかのヒントも,同じところにあると思う。

大好きな商店街とそこに存在する価値をどのようにして守ってゆくか,買物をしながら考える毎日である。

コロナで混乱するアメリカから,ニューヨーク州の弁護士会のregistrationが未了だと言う手紙が届きました。

2回目の督促と書いてあるけれど,1回目が来た覚えがなく,「絶対コロナで事務手続が混乱しているな。」と思いつつ無事更新を済ませました。

ウェブで登録をするのですが,そこには事務所の人数を記載する欄があり,いつものように”solo”に☑を入れた時,改めて自分は”solo”なんだなあと思いました。

思えばsoloな人生を歩んでいる人たちはたくさんいて,組織に属する人生もsoloな人生もあるけれど,私が特に気になるのは,やはり自分と同じようなsoloな人達です。                 

さて,季節はバレンタイン,この時期は大好きなショコラティエ永田さんのお店”TIKAL”を訪れました。

カカオにゆかり深い芝川ビルにあるお店,宝石のように並べられたチョコレートは,一つ一つがしっかりした味と奥深い世界観をもっています。

一粒でトリップto カシスの世界,湯浅醤油とチョコレートの出会い,キリリと存在感を放つ岩塩,イングリッシュトフィーの世界,忙しかった1週間の金曜日の夕方に寄るのはまさに至福のひと時!

ここでもきっとsoloの力が発揮されているはず,いつかゆっくりとお話を聞き,唯一無二のチョコレートの秘密を知りたいなと思いつつ,バレンタイン近づく週末の淀屋橋を歩いたのでした。

大阪高島屋で開催されている,私の恩師,増地保男先生の個展に行ってきました!

先生は昔,大阪府立高津高校の美術の先生をしていて,私の担任の先生でもありました。

高津高校は,実はARTでも有名な学校で,美大に進学される方も多く,森村泰昌さんも卒業生でかつ先生もしておられた時があったらしいです。

増地先生のアトリエには,当時「ガラクタ」と呼ばれるたくさんの想像力を刺激するオブジェがありました。

古い木のテーブル,その下のマネキンの頭部,手足,インカっぽい顔面の人形,様々な材質と形の壺,割れた食器,大きなチェロ,壊れた楽器・・・,それらを基に生み出された作品は,作風もさまざまで,なんとも自由なものでした。

私は選択科目で美術を取っていたのですが,なんと美術部の人達と同じように,50号の油絵を好きなように描かせてくれたのです。

先生の指導はあんまり余分な事は言われず,ふと思いついた感想を独り言のように言ってくれたり,結構ほめてくれたことが多かったように思います。

そんな増地先生は,ずっとモノクロの絵を描いておられましたが,なんと今回はこんな楽しく自由なアクリル画の個展でした。「自分らしくない絵を描きたくなって,自分らしくない自分もまた自分なんやと認めるようになったんや。」というのが先生のコメントです。なるほど!

ちなみに,私が一番好きなのはこれです!

タイ焼きを狙う猫(笑)。どうやら製作を邪魔する猫が出現したらしく,作品を台無しにしたり,意地悪をしつつも毎回興味深く絵を描く様子を見に来てて,なんとも言えない関係性が生まれているのだそうです。

先生は約10年前にアトリエを火災で失くし,それまでの作品を全て失われました。その時は,もうすぐ死ぬから不要だと思ってアトリエを再建せず,以後は野外で絵を描いておられるらしく,今年の冬の寒さは堪えたとしみじみ言っておられました。

変わらない先生と久しぶりにお話をして,この先も,もっと新しい展開を見せていただきたいと思いました。

コロナを吹き飛ばすような元気な色と,自由で楽しいとんちんかん道,どんどん歩いて下さいね!

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