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大阪高島屋で開催されている,私の恩師,増地保男先生の個展に行ってきました!

先生は昔,大阪府立高津高校の美術の先生をしていて,私の担任の先生でもありました。

高津高校は,実はARTでも有名な学校で,美大に進学される方も多く,森村泰昌さんも卒業生でかつ先生もしておられた時があったらしいです。

増地先生のアトリエには,当時「ガラクタ」と呼ばれるたくさんの想像力を刺激するオブジェがありました。

古い木のテーブル,その下のマネキンの頭部,手足,インカっぽい顔面の人形,様々な材質と形の壺,割れた食器,大きなチェロ,壊れた楽器・・・,それらを基に生み出された作品は,作風もさまざまで,なんとも自由なものでした。

私は選択科目で美術を取っていたのですが,なんと美術部の人達と同じように,50号の油絵を好きなように描かせてくれたのです。

先生の指導はあんまり余分な事は言われず,ふと思いついた感想を独り言のように言ってくれたり,結構ほめてくれたことが多かったように思います。

そんな増地先生は,ずっとモノクロの絵を描いておられましたが,なんと今回はこんな楽しく自由なアクリル画の個展でした。「自分らしくない絵を描きたくなって,自分らしくない自分もまた自分なんやと認めるようになったんや。」というのが先生のコメントです。なるほど!

ちなみに,私が一番好きなのはこれです!

タイ焼きを狙う猫(笑)。どうやら製作を邪魔する猫が出現したらしく,作品を台無しにしたり,意地悪をしつつも毎回興味深く絵を描く様子を見に来てて,なんとも言えない関係性が生まれているのだそうです。

先生は約10年前にアトリエを火災で失くし,それまでの作品を全て失われました。その時は,もうすぐ死ぬから不要だと思ってアトリエを再建せず,以後は野外で絵を描いておられるらしく,今年の冬の寒さは堪えたとしみじみ言っておられました。

変わらない先生と久しぶりにお話をして,この先も,もっと新しい展開を見せていただきたいと思いました。

コロナを吹き飛ばすような元気な色と,自由で楽しいとんちんかん道,どんどん歩いて下さいね!

皆様,明けましておめでとうございます。

世界は2022年を迎えました。

人類はまだコロナを封じ込めることはできていませんが,年初にあたり,コロナを自然の一部ととらえ,自らの生命・健康の脆弱性を知り,自然に対する畏敬の念を払い,そして自然の一部であり,様々な個性と価値観を持った人間が,共に生きてゆくすべを探らなければならないと思っています。

さて,上記は少し長いフレーズでしたが,3年ほど前から,年初にあたりフレーズが心に浮かぶようになりました。

確か3年前は,「ボーダーを超えてゆこう!」というフレーズでした。

ボーダーを超えるということは,「定義」をぼやかしてゆくという意味で,例えば弁護士を職業(”profession”)としている今の私が,弁護士になる前から存在している自分と職業の境界をぼやかしてゆこうと言う意味でした。

2年前のは忘れたのですが,昨年は「相互協力」というフレーズが強く頭に浮かぶました。

とにかく協力,小さなことでいいので,相互にもてる力を貸し合い,困難を乗り越えてゆくことが必要だと考えました。

今年も引き続き実践してゆきたいと思っています。

そして今年は,なぜか「必要なものはもう持っている。」というフレーズが頭に浮かびました。

「もの」には「物」の意味もありますが,考え方や解決法など物質を超えた意味もあります。

自分達がすでにもっているものを,もう一度認識し,眺めなおし,新しい方法で利用してゆくということを実践してゆきたいと思っています。

さて,まずはおせちのリメイクです(笑)。

今日のお昼は,煮しめの残りを刻んでちらし寿司を作り,おやつに黒豆か栗の甘露煮の煮汁をカフェオレに入れて,”黒豆ラテ”か”マロンラテ”を作る予定です。

楽しみだ~!

2022年が,皆様にとってより良い年になることを心から祈念いたします。

 

賛否両論の五輪が終わり,今思うのは,賛否両論が足りなかったということだ。

開催後,延期になったこの1年間のアスリート達の思いや努力を描くドキュメンタリーを目にするようになった。

アスリートの家族,トレーナー,応援する人達,それぞれにも同様にたくさんの思いとドラマがある。そして,この間コロナや病気と闘う人たちにも,それぞれの苦しみや努力,思いがある。ひっ迫する医療現場で,緊張の長時間労働の中,命の糸を追いかけ続ける医師や看護師,医療スタッフ,保健所の職員にも,言葉にできない努力と苦しさが今も続いている。

政府と東京都の関係者にも,国民には知りえない巨大な国際的圧力,事情や思惑があったことと予想できる。

しかし,この多様な立場の人達の置かれている状況,その思いを,マスコミは余すところなく伝えたであろうか?伝えようとする姿勢を見せたであろうか?十分ではなかったと感じざるを得ない。

自分と闘い,血のにじむようなトレーニングを続けてきたアスリートの舞台を無くしてしまっていいのか?感染爆発の状況が悪化した場合,どう抑え込み,医療現場や保健業務の現場の逼迫にどうやって手を差し伸べることが出来るのか?感染拡大下で五輪を開催するために,どのような努力と工夫をしているのか?それは十分なものであるのか?

五輪をやめた場合,どのようなリスクと弊害があるのか?国民はどのような対価を払うことになるのか?それにはどのような対処ができるのか?不可抗力条項を基に法的紛争は出来ないのか?

色んな議論のための情報と視点が十分に提供されず,結だけが押し切られてしまった。コロナ下で,国民は自分の健康と生活を守ることだけで精一杯で,議論をする余裕もない。それを奇貨として,タイムアウトで結論を押し切るのはあまりにもアンフェアである。こんな時こそマスコミは,より一層多様な意見を余すことなく伝え,疲弊した国民が議論できるよう助けてほしかったと思う。

私は日本の戦後民主主義の中で生まれ育ち,敗戦も家長制度も知らない。そんな私が,敗戦国というのはこのようなものなのか?と頭によぎる瞬間が何度かあった。また,説明も言葉も尽くさないまま不機嫌な表情で結論を押し切る首相の姿には,「黙っていうことを聞いてついて来い!」という頑固な家長時代の父の姿,側近を叱りつける姿には,「お前の育て方が悪いからこうなるんだ!」と妻に責任転換して叱り飛ばす父の姿が重なった。そして,前時代的なこの父(リーダー)の態度に,子供達は暴れて言うことを聞かない。本来こんなにいい子達なのに!こんなに頑張ってきた子達なのに・・・。!

ここ数年,民主主義の大前提である言論の自由,その前提である情報提供を担うマスコミの機能の衰退に危機感を持ってきたが,それが現実の危機になることを感じざるを得ない2021年の夏である。

コロナ下でありながらも,リモートのみでは十分な打ち合わせが出来ないことが多く,感染対策に留意しつつオフィス内での打ち合わせを行っています。

来客の皆さんの中にはお気づきの方もおられるかと思いますが,うちの事務所のトイレスペースには小さな四季があります。

スタッフの手作りの作品で,少しでも季節を感じてリフレッシュしていただければと思いますので,機会があれば是非ご鑑賞下さいね

 

ウイルスに「打ち勝った証としての五輪」という言葉を聞いた時,「打ち勝つとは不遜でしょ?」と思った。

そもそも「打ち勝つ」という発想自体が間違いだし,打ち勝ったという幻想さえ抱くこともできない状況だった。

その五輪の閉会式のナレーションで流れた「より速く,より高く,より強く」というオリンピックのモットーを聞いた時,この価値観そのものがすでにとても古く感じた。

五輪は結果が全てではないと言いつつも,メダルを争う競争である。そしてメダルの数は国ごとにカウントされる。

しかしアスリート達のバックグランドは様々だ。オリジン,生い立ち,経歴を個々に見た場合,どれだけの国や文化が関わって今日の彼らがあるかを思うと,どの国の選手ということはほとんど意味がない。

この2021年の夏のある瞬間に,どの選手が,どのような記録を残したかということがその選手の人生にとって重要であっても,それが全体の中で何番だったのか,どの国のメダルとしてカウントされるのか,いうことにはほとんど意味がないと感じてしまう。

人は何かのために努力をしている。自分の技能を磨き,何かを追い求めている。

しかし,一番になるための努力には,そのための独自のアプローチが必要であり,特別な戦略とテクニックを要し,かつ何かを犠牲にしなければならない。そこには経済(営利)もついてくる。経済のベクトルが,人の努力と熱意を意図していたものとは違う方向に導いてゆく場合もある。そして,何をもって1番とするかというのは,誰かが決めた基準である。

そんなことを徒然に思いながら,夕暮れの散歩をしていたところ,たまたま福沢諭吉の生家跡に出くわした。

石碑の文字は,「天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ 人ノ下ニ人を造ラズ」

とても有名な言葉だが,福沢諭吉がどんな経緯でこの言葉を思いついたのか,なぜその思想を広めなければならないと思ったのか,その真意を私は知らない。でも,もしかしたら,シンプルな個々の人間性の尊重そのものを,ダイバイーシティやインクルージョンという発想にもつながる思想を包摂しているのかもしれない,そんなことを思いながら帰路についた。

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